どこの流派会派であっても、高校や大学などの部活をのぞいて空手を習っていれば、形の分解組手など「約束組手」と言われる組手練習を必ずやると思います。昇級昇段審査でも課題にあるのではないでしょうか。
この、特に本土の四大流派で言う所の約束組手という練習方法は、もともと沖縄の空手にはなかった方法らしく、ルーツは空手が日本に広まりはじめた大正期に、大学の空手研究会で学生が形の動作から考案したものという説が有力です。やり方は、だいたい攻撃側が追い突き(順突き)で入り、受け側が前屈立ちや猫足立ち、四股立ちなど形通りの基本の立ち方で転身して基本の受け技で受けて逆突きで返す、というような方法です。突きも受けも必ず基本通り引き手をとります。しかし恐れながら、正直私、こういう約束組手が大き●いでして・・・(汗)。いや、私だけじゃないと思いますよ。
で、和道流空手の話になりますが、和道流では他流派でやる上記のような約束組手はやりません(キリッ)。形の分解はもちろんありますが、「分解組手」はやりません。例えば糸東流では、全ての形に決められた分解組手があって、技としての意味のないつなぎ動作的な部分にも分解組手を当てはめたりしていて、それを全部(バッサイダイなら13本)昇級昇段審査で実演する道場・会派もあります。和道流にもまったくないわけではありませんが、そのような意味での「分解組手」や約束組手は審査でもないし普段の練習でもほとんどやりません(道場にもよるとおもいますが)。和道流空手では、基本や形はあくまで動きや動作を「練る」ためのものであって、基本そのままの動きや立ち方を実用するのではないという考え方が根底にあります。
その代わり、和道流空手では「基本組手」もしくは基本約束組手というものがあります。しかも10本だけです。裏とか応用はありますが、形や基本で練った体捌きを応用した実用形をこの10本に集約しているという考え方です。そしてその基本組手のやり方ですが、普通の約束組手のような追い突きで入るということはしません。前拳の刻み突きで攻撃します。しかも引き手はせず夫婦手で構え後ろ手を胸前に残して前拳を打ち込みます。そして受け側は他流派の約束組手のように力でガツンと「受ける」のではなく、体捌きで流したりいなしたりするのです。ボクシングで言う「ダッキング」のような技もやります。例えば相手が拳ではなく刃物を持っていた場合、基本通りの受け技で相手の前腕を受けるだけでは体に刃が入ってしまいますが、和道流の基本組手の体捌きを使えば、敵の攻撃を体で受けることなく流すことができます。そして捌いたら素早く敵の懐に入り身し当て身を入れ、さらに小手返しで倒す!というのが和道流式約束組手です。たった10本ですが、あんなに約束組手が大き●いだった私でも大好きになれました。昇段審査でもやります。
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