今日の台東区三ノ輪周辺は午後から冷たい雨・・・。こんな日は内でゲーム・・・・いや、屋内といえば空手でしょっ。
ところで「もっと腰入れて!」「腰が入ってない!」などという声、空手の練習ではよく耳にします。私も先日の練習時、いやその前もいやほぼ毎回言ってるような気がします。でもなかなかできず突きが手打ちに、蹴りがサッカー蹴りになってしまう。では「腰を入れる」とはどういう状態でしょうか。
正確にはこれは腰ではなく「股関節を使う」です。腰を入れる=腰をねじるのではありません。腰と言うのはねじれないのです。
背骨は頸椎7、胸椎12、腰椎5、計24個の脊椎骨でできています。腰の部分の骨は、この脊椎のうち最も下部の骨盤に直結している腰椎の5つをさしますが、背骨は釣り竿のように根元の方が太く硬くできていて、しかも腰椎は5つしかありません。そのため回旋稼動域が小さく10度から15度くらいしかねじれないのです。胸椎は12個全体で60度ほどの稼動域があります。一番小さい頸椎は7つしかないけど180度に加え三次元にぐるぐる回すことができます。「腰を入れろ」と言われて、わずか15度足らずしか回旋できない腰をどうやってねじれというのでしょうか。もちろんできません。本当に腰をねじったら恐ろしいことになると思います。
ではどうやって「腰を入れ」るのかと言うと、それは股関節を動かしているのです。例えば右の逆突きは前脚(左脚)の股関節を支点に体幹を回します。歩く時でも二つの股関節を左右交互に動かすことで体をコントロールしているのです。
ウオーミングアップで股関節を動かすのが重要なのはこのためです。股関節があまり動かず「腰を入れ」ようとすると腰に無理がかかってくるのです。
以前は股関節というと「股の関節」だと勘違いされている人がいましたけど(今でもいるか)、最近は小学生でも両脚のつけねに手を当てさせて「二つの股関節を動かせ」とやらすと理屈で説明しなくてもすぐ理解してくれます。むしろ大人より理解が早いかも。空手の形はこの股関節を動かす運動として優れていると思います。